2009年12月8日火曜日
続・クリーク散歩.3 倒木をくぐって
● 倒木が道をふさぐ:8月
さて、大土塁を目指して、ワイルドチックな散歩道の歩みを進める。
前方に現れたのが、道をふさぐ倒木。
クリーク沿いの樹木が倒れ、民家の塀を突き破ってバックヤードに進入している。
ちょっとばかり恐ろしい。
実はこれ、最近撮った写真。
8月はこうだった。
といっても内容は同じ。
つまり、稿頭の写真。
8月と12月が同じということは、この家は空き家ということになる。
4カ月も。
人が住んでいれば、市役所に言うだろう。
とすれば業者がすっ飛んできて、チェーンソーでウイーンとうなりをあげながらバサバサ切り刻んでものの2時間ほどでキレイにしてくれる。
壊れた塀は応急処理になるかもしれないが市役所負担で補修してくれる。
なのに、ここは4カ月もほっぽってある。
ここに引っ越してくるとき、空き家を探して、この辺も見てまわった。
道路沿いからみても、迫り来るジャングルはちょっと不気味で、最終的にはモダンタイプというセリフに引きずられて、タウンハウス団地に決めた。
野性味というのは、生活そのものからみると、やはりちょっと億劫である。
野趣というのは文化生活に少しばかり飽きたところで首をもちゃげてくるもので、生活自体が野趣では入っていけない。
ところで、ここの所有者はどうなっているのだろう。
以前住んでいたところの少しはす前に、日本人が建てた家があった。
プール付きの豪華な家であった。
数回、遊びにきてそれからパタリと来なくなった。
そこそこの年月がたった時、市役所の人がきて、はす前の日本人をしらないかという。
どうも地方税を滞納しているらしく、連絡しても梨のつぶてだという。
そのうち、この家競売に付されて、あたらしいオーナーに変わった。
以前の日本人の所有者は、おそらく自分が家を持っていることも忘れてしまっているのだろう。
バブル末期の頃の購入だから、何が起こってもありうると納得できる歴史がバックにあったときである。
競売の売上金は市役所が管理していると思うが、おそらくその日本人が以前、あそこに土地を持っていたのだが、と市役所に出向くことはないのではないかと思う。
そして、時効が成立すると、そのまま市役所のネコババということになってしまうのだろう。
さて倒木に直撃された、この家はどうなっていくのだろうか。
と同時に、ここを散歩する人は少なくとも4カ月この倒木をくぐり続けてきたのか。
文句を言わなかったのか。
「危ない」とは思わなかったのか。
スラッシャーが入れば作業員が市役所に報告するはずだが。
なんとも、常識的理解を超える。
倒木を後にワイルドチックな小道を行く。
上の2枚は8月。
下は12月。
こちらはスラッシャー(芝刈り機)が入っているので歩きやすくなっている。
右の塀でわかるように、同じ場所である。
クリークに下るような場所がある。
そこでワイルドチックな散歩は終わる。
振り返ってみてみる。
わずかにクリークに下がるが、ここは雨がふると、ヌルヌルの坂道になり、ウオーキングシューズは泥だらけになる。
転んだりしたら、目も当てられない。
よって、もし雨でしたら、やんでから2,3日おいて地面が固まったころの散策をお勧めします。
そこからクリークを見てみる。
水路の幅は狭くなり、覆う木々がなくなり、対岸が見えるようになる。
実をいうと、クリークはこの手前でT字になって、水量が幾分落ちるのである。
mapでいうと「Telopea St:テロピー・ストリート」の「13」番地当たりでT字になるわけである。
地図を拡大してみてください。
この13番地の斜め左下に8角形の白い屋根が見えます。
その丁度真上にあたるところにあるのが第二遊歩橋で、この下がT字の下の線にあたる水路の支流である。
この航空図では水が流れていないように見えますが、おそらく水枯れの時に撮ったものなのでしょう。
下の写真が散歩道から、この遊歩橋を撮ったもの。
遠くに橋が写っています。
下はこのクリークで唯一人工的に作られたエサ場です。
望遠で撮っています。
前の家の方が作ってエサをやっているのではないかと思います。
レインボーロリキート、トサカバト、ノイジーマイナー、それにアイビスなど。
ここで見た鳥に「ロングビルド・コレーラ」がいました。
前の家では、おなじみの鳥でしたが、ここでは半年以上住んでいるのに、出会えたのはこのエサ場での1回だけです。 前の家の場所とこの周辺では鳥の種類が相当に違います。
例えば、我が家の住人もどきであったグリーンロリキートも一度見たきりです。
逆に前の家ではブッチャーバートは一回として出会ったことがありませんでした。
航空写真で見るとわかるとおり、先の第一遊歩橋を渡って右側にクリーク沿いに行くと、この第二遊歩橋に出ます。
下はそこから撮った橋の写真です。
この左側支流は数分歩くと「Musgrave Ave:マスグレーブ・アベニュー」に突き当たって終わります。
航空写真で見ることができます。
● 支流:緑の草の生えているのが水路ですが、確かに航空写真では水があるようには見えないだろうなと推察できます。
ちなみにこの場所には、今いるクリーク沿いをさらに進みガバーメント通りでぶつかったら対岸を数分戻ればここにでます。
では、そのクリーク沿いを更に進みます。
木の下に不用意に踏み込んだら、バサバサと鳥が飛び立ち、一羽は対岸の潅木に隠れた。
青鶏。
青というより黒紫。
頭にちょこんと帽子をかぶったような赤がある。
何ともいえずにチグハグ。
確かに鶏ではあるが、ちゃんと飛べる。
一時、猟で激変して禁止になったが、また増えて解禁になったとか。
先に見える橋らしきところが、ガバーメント・ロードになる。
そしてこれがガバーメント・ロード。
ガバーメントは「Goverment」で「政府」ということ。
とするとここは「政府通り」。
最初聞いたときは、いったいどんな道だろうと興味を持った。
クイーンズランド共和国政府の建物が立ち並ぶ通り?
トンでもハップん。
そんな建物一つとしてない。
ただの普通の狭い住宅地の道路。
なんでこんな名前をつけたのだろう。
冗談にしてはユーモアの質に欠けている思うのだが。
<つづく>
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