

さて、琴の演奏が始まったのだが。
感激、の、しびれがきた。
あの尺八のご老人とフルートのお嬢さんが一緒に出てきて、並んで吹きはじめたのである。
琴との合奏もいいが、「尺八とフルート」の合奏はずば抜けて光っている。
聞くほうはおそらく、琴とその伴奏としての尺八であり、フルートであっただろう。
が、私には琴の音はひとまずおいて、尺八とフルートの間合いに耳を傾けることになった。
「いいな!」
尺八とフルート。
こんなにぴったり合うものだとは思わなかった。
琴と尺八、琴とフルートというのはほんの1カ月前に聞かせてもらった。
尺八とフルートの合奏は今回始めてである。
おじいちゃんと孫娘といった取り合わせで、その息が見事に一致。
ここまで年齢差が芸になるものであろうか。

それぞれの年齢にあった好きな楽器をそれぞれに楽しんでいる。
それがなんともほほえましく、ファミリーチックに流れ出てくる。
ウーン、なんともいい。
普通なら琴へ気がいくのであるが、今回は「老人と孫娘」へ集中した。
歳そのものがハーモニーなのである。
歳そのものが見せ場なのである。
こういうこともあるのである。
うれしくなってあっちこっちまわってこの二人を撮りまくった。




琴は?
え!
次の稿になります。
さて、驚くのはこれだけではなかった。
次の出演者。

天気が悪いので写真があまりよくないが、サキソフォーンの二重奏。
中学生か高校生か?
和服のお嬢さん二人で吹奏楽器を演じるのである。
和服でである。
あの、ナガーイ楽器を吹くのである。
履物は下駄。
それで音を立てずにカタカタさせて、リズムをとりながら吹くのである。

和服って結構似合ってしまうから不思議。
サキソフォーンでは、なんといったってカレッジ・フットボールのハーフタイムショーに出てくる、マーチング・バンドが素晴らしい。
キビキビとした動作で、踊りながら吹いていく。
そのダイナミックな吹き方に圧倒される。
若さにホレボレする。
あのイメージがあるため、「和服で?」となる。
日本にいたら和服でサキソフォーンを吹いている風景を見ることは決してないだろうと思う。

サキソフォーン(Saxophone)をWikipediaで見てみる。
『
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3
クラシック音楽からポップス、ロック、ジャズに至るまで、様々な分野の音楽で用いられる。
吹奏楽やビッグバンドには欠かせない存在である。
オーケストラにも曲によっては参加することがある。
ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4本のサクソフォーンで演奏されるサクソフォーン四重奏は、音色の均一性やアンサンブル能力の高さが弦楽四重奏にも匹敵すると言われ、クラシカルサクソフォーンの代表的な合奏形態のひとつである。
サクソフォーン四重奏のためのオリジナル作品も多数存在する。様々な種類と大きさのものが存在する。

』
若いお嬢さんが、ピアノとかバイオリンとかいうなら分かるが、サキソフォーンとは。
面白い!。
和服吹奏楽団なんてできたら、すぐに見にいってしまうかも。
さて、次も日本人かと思ったら違っていた。
「ジプシーダンス」
ジプシーという国家、民族があるわけではないが、社会文化は厳然としてヨーロッパには存在しているそうである。

もちろん、彼女たちはジプシー出身ではないだろう。

サキソフォーンと同じカレッジの生徒・学生のようである。
芸能関係のカレッジなのかもしれない。
4番目は和太鼓。
最近、和太鼓は定番である。
和太鼓ブームでちょっとしたコミュニテーなら何処でも同好会、趣味の会があるらしい。
この街にもできたようだ。
初めて見せてもらった。

「和太鼓チーム 絆(きずな)」という。
壇上が狭いので、太鼓を下におろして客席と同じレベルでやる。
そのため、全体写真が撮れない。
演奏の全景が見えない。
和太鼓の面白さは、ある部分打ち方のパフォーマンスに依存する。
ピアノなら音だけ聞いていてもサマになる。
音程が上下にはっきりあるからだ。
が、太鼓はそうはゆかない。
とちらかというと狭い領域に閉じ込められた音楽だ。
よって、その分、演奏者の迫力ある動きで補っていかねばならない。
でないと興味は半減する。
見えない、というのは残念至極になる。
このグループのサイトがありましたので、そこから1枚だけコピーさせてもらいます。

● [ゴールドコースト和太鼓チーム -絆-]より
クリックするとこのサイトにジャンプできます。
『
異文化の祭典
Gold Coast Taiko Team -KIZUNA-
http://kizuna-gctaiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/gold-coast-mult.html
』
こうなると、調べてみたくなるのが人情。
「KIZUNA」のビデオがあるだろうかと。
ありました。
4分少々、お楽しみください。
『
ゴールドコースト和太鼓チーム
http://movie.teacup.com/video/watch/79ef3acb5ce981b9?kw=etenraku&page=1
』
ちなみに、和太鼓というのは通常、ぴーひゃららの横笛である。
太鼓の低音に対して、横笛は高音。
それがすっきり合う。
が、このチームはフルートである。
これも珍しい。
フルートは低音である。
低音と低音、その取り合わせは合うのだろうか。
いや、見事に合っている。
奏者は尺八とデユエットのお嬢さん。
では横笛はというと、今回ちゃんと吹いています。

私はきっと、この子のファンなのだろう。
「笛を吹けない人と、ファンクラブに入っていない人はお断り!」
ごもっとも。
確かに、ふけるものと言えば「ダボラ」ぐらいしかない。
昔、西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」というのがヒットした。
このごろは会社帰りに、和太鼓をぶっ叩く人が増えているそうである。
そういう教室が繁盛しているという。
駅前にも進出しているという。
ストレス解消であろうか。
下手なゴルフに憂き身をやつすより、和太鼓を叩いていたほうが、はるかに人間的であることは確かだが。
びっしょり汗をかいて、フーフーと。
サイトから
『
和太鼓チーム絆
http://gcfudosan.blog81.fc2.com/blog-entry-11.html
ゴールドコースト和太鼓チーム『絆』は 今年2月に生まれたクィーンズランド最初の和太鼓のクラブです。
メンバーはまだほんの10人ほどですが、リーダーの二瓶さんはシドニーにプロの太鼓チーム で何年も活躍された素晴らしい方で、私達素人をここ3ヶ月で発表会が出来るところまでトレーニングしてくださいました。
『絆』のロールモデルはシドニーの 『Taikoz』と新潟は佐渡にベースを置く世界的な太鼓集団の『鼓童』です。
※太鼓参考写真:左から締太鼓、長胴太鼓、桶胴太鼓です。

』
ゴルフ人口がいくら増えても、社会的なレベルは低いままで上がらない。
ほとんど文化影響力はゼロ。
が、和太鼓集団を持つとなると、文化力は一気に上がる。
和太鼓集団が自発的に生まれるということは、その地域に日本文化が根付いてきたという明瞭なマークになる。
ついにこの街も、ここまできたか、といった感慨ひとしおである。
今年はこの街の日本文化にとって、一つの分岐点を越えた年となるだろう。
「ゴルドコーストが和太鼓集団を持った」
もちろん、誰も意識してはいないだろうが。
<つづく>
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